格安SIMのデータ速度は最新のiPhoneの方が速い?歴代モデルで速度を実測してみた!
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スマホによってデータ通信速度の違いについて
スマホの中に無線チップが搭載されていることでLTEのモバイル通信がでできたりWi-Fi通信をすることができるようになっており、スマホやタブレットには欠かすことができない大事な部品となっています。
LTEの通信をするチップはLTEモデムチップと呼ばれており、スマホが設計された時期や価格帯によってLTEモデムチップの性能が大きく異なるのです。これはキャリアのSIMを使おうがMVNOのSIMを使おうがが同じようにLTEモデムチップによって通信速度に影響を与えることになります。
iPhoneの世代によりLTE通信速度の違い
では、iPhoneのモデルによってLTEの通信速度がどれくらい違うのか見ていきましょう。LTEは通信できる速度によってカテゴリー分けされておりiPhoneのモデルによって受信速度で100Mbps〜800Mbpsの差があることになります。
モデル | LTEカテゴリー | 受信速度 | 送信速度 |
---|---|---|---|
iPhone 5/5c/5s | Cat.3 | 100Mbps | 50Mbps |
iPhone 6/6 Plus/SE | Cat.4 | 150Mbps | 50Mbps |
iPhone 6s/6s Plus | Cat.6 | 300Mbps | 50Mbps |
iPhone 7/7 Plus | Cat.9 | 450Mbps | 50Mbps |
iPhone 8/8 Plus/X | Cat.15 | 800Mbps | 150Mbps |
ドコモのSIMで各iPhoneの通信速度はどれくらい?
では、実際にどれくらい通信速度に差が出るのか。NTTドコモのSIMカードを各iPhoneに入れて実測してみました。
受信速度150MbpsのCat.3のLTEモデムチップが採用されているiPhone SEは30Mbps程度の速度となりましたが、受信速度300Mbps Cat.6のiPhone 6sは少しだけ速度が上がり37Mbps、受信速度450Mbps Cat.9のiPhone 7は42Mbps、そして受信速度800Mbps Cat.15は82Mbpsという速度が出ていました。
つまり、同じSIMカードでもiPhone 8/8 PlusやiPhone Xは1世代前のiPhone 7/7 Plusよりも2倍も速い通信速度を出すことができるということになるのです。ただし、速度に差が出るのは受信速度だけで送信速度に関してはどのモデルもさほど差が出ないようですね。
格安SIMで通信速度の差はどれくらい?(通常時)
では、格安SIMのSIMカードでもどれくらい通信速度に差が出てくるのか。mineo(マイネオ)のDプランのSIMカードを使ってiPhone X(最大下り800Mbps)とiPhone SE(最大下り150Mbps)の二つのモデルで実測してみました。
マイネオは通信速度の速い格安SIMなのでiPhone SEでも下り26.97Mbps、上り9.97Mbpsの通信が可能となっていましたが、世代の新しいiPhone Xだと下り56.75Mbps、上り20.35Mbpsという高速通信が可能となっていました。
この速度はドコモのSIMカードを入れたiPhone 7よりも高速ということになります。
格安SIMで通信速度の差はどれくらい?(12時頃)
では、通信回線が混み合う時間帯(12時)でも通信速度は速くなるのか。mineo(マイネオ)のDプランのSIMカードを使ってiPhone X(最大下り800Mbps)とiPhone SE(最大下り150Mbps)の二つのモデルで実測してみました。
さすがマイネオのSIMカードですね。12時ちょうどくらいなら1Mbps以上の速度を叩き出しています。iPhone SEの下り速度は2.04Mbpsですが、iPhone Xの下り速度はその4倍にもなる8.41Mbpsの速度が出ていました。
一桁代の通信速度の差は体感で違いを感じることができるところなので、これだけの速度の差が出るのはとても大きいのではないでしょうか。
12時半くらいにもう一度計測してみると、さすがのマイネオでも1Mbps以下の速度に落ち込んでしまいました。
しかし、世代の新しいiPhone XはiPhone SEよりも少しだけLTEの速度が速くなることが分かります。これだけ速度が遅くなってしまうとちょっとした差が体感速度に影響してくることになるので、少しでも快適にスマホを使いたいのであればiPhone SEよりもiPhone 8やiPhone Xを選んだ方が良さそうです。
Androidスマホも価格の高いモデルは速度が速い
AndroidスマホもiPhone同様に価格の高い高級モデルで最新のモデルになればなるほどLTE通信の速度が速くなる傾向があります。
例えば、HUAWEIのスマホもモデルによってLTE通信の速度が異なっています。
- P10 lite:下り最大150Mbps・上り最大50Mbps
- P10 Plus、P10:下り最大262.5Mbps・上り最大50Mbps
- nova:下り最大225Mbps・上り最大50Mbps
- nova2 for au、for UQ:下り最大225Mbps・上り最大25Mbps
- Meta 10 lite:下り最大150Mbps・上り最大50Mbps
- Meta 10 Pro:下り最大500Mbps・上り最大50Mbps
実際にMate 10 liteとMate 10 ProにドコモSIMを入れて通信速度を計測してみました。左がMate 10 lite、右がMate 10 Proの測定結果です。
上位モデルのMate 10 Proの方が下り速度が速くなっていることが分かります。
まとめ
キャリアのSIMカード、MVNOのSIMカード関係なしでLTEの通信速度はスマホの性能によって大きく左右されるものになり、基本的に新しいモデルの方がLTEやWi-Fiの通信速度は高速化される傾向になります。
ただし、端末代が2万円前後で購入することができるエントリーモデルに関しては最新モデルだったとしてもCat.3の下り150Mbpsに対応したモデルが多くなっているので、少しでも通信速度を速くしたいのであれば、5万円以上のミドルからハイエンドスマホを選択する必要があるでしょう。